roy(学内のみ) > naoya(学内のみ) > 専門演習 > 研究テーマ

研究テーマ

現在の研究テーマ

自転車に関する基礎的研究

自転車のマナーの悪化や自転車対歩行者の事故の増加の指摘を受け、自転車に対する総合的な対策が試みられています。現在は自転車走行空間の改善や取締りの強化が主に行なわれていますが、自転車運転者が安全に配慮した行動を自ら行なうためには、教育という視点も欠かすことができません。

教育により行動の改善を期待するためには、望ましくない行動がなぜ好ましくないのかを納得してもらう必要があります。しかし、自転車を対象にした研究は自動車と比較すればきわめて数が少なく、自転車に関する知見の蓄積は十分であるとはいえません。そこで、携帯電話使用の影響等、教育を行う上での資料となりうる基本的なデータの蓄積を進めています。

出合頭事故の防止に関する研究

信号のない交差点における車両相互の出合頭事故は、追突とならび発生件数の多い事故類型です。出合頭事故の発生には運転者の見落としや思い込みが大きく影響していることが明らかになってきています。運転者の行動観察や実験を通して、これらのエラーが発生しやすい条件を整理し、環境改善による事故防止の可能性について検討しています。

防火意識に関する研究

私たちが日常的に居住する住宅における火災は、発生件数、死者数ともに火災全体に占める割合がきわめて高くなっています。住宅火災の原因は、火気の不始末や取り扱い中の不注意による失火が多数を占めており、火災の発生を防止するためには、防火設備の設置に加えて、日々の注意が求められます。しかし、日常的にそれほど注意をしているわけではなく、設備を設置していないにもかかわらず、防火に自信を持つ人の存在が指摘されています。なぜ、それほど注意をしていないのに自信を持つのかを明らかにすることで、注意を促すための対応策を検討しています。

人的要因分析手法の開発

事故や不具合が発生した場合には、事故の直接原因であるヒューマンエラーを特定するのみでなく、ヒューマンエラーの引き金となった背後要因を明らかにする必要があります。しかし、私たちは網羅的に全ての可能性に目を向けることは苦手であり、特定の要因に固執する傾向があります。事故の全体像を記述し、その上で事故発生に影響を及ぼした要因を整理することができるようなツールの開発を行っています。

道路環境と運転行動の関連分析

運転行動は知覚されたリスクに対する調整行動であるといわれています。このままの速度では危ないと判断をすれば減速しますし、特に危険を感じなければ高い速度で走行する傾向があります。速度は事故の直接原因ではありませんが、低速で走行していれば事故の回避や被害の軽減につながります。こうした運転行動の規定要因には個人の性格特性やモチベーション、交通状況、道路環境の影響がありますが、現在は道路環境に着目して相互の関連を調べています。